事業環境の変化を見極め
付加価値提案とパートナーとの協働により
中期事業計画を着実に遂行します


 

 

 

 

取締役 常務執行役員
事業本部(東日本第1・東日本第2・中部・西日本)管掌

田中 拓也

※ 2021 年 5 月の取材当時は、経営企画本部・管理本部も管掌

事業環境

2020年度は新型コロナウイルス感染症の拡大という外部環境の大きな変化があったものの、当社への影響は全体としては軽微であり、中計を着実に進捗させることができました。その一方で、不正事案の発覚によって、一部のお客様やパートナーから取引の見直しを求められるなどの影響が生じました。2021年度は、ステークホルダーの皆様からの信頼回復、関係性の再構築を最重要課題としています。

事業環境認識と各市場における実績

各市場の機会とリスクを確実に捉え
高付加価値な提案へとつなげていきます

  • エンタープライズ市場
    2020年4月の緊急事態宣言を契機にテレワークが拡大したことで、付随するセキュリティ対策やクラウド基盤ビジネスが堅調に推移しました。一方、製造業では、新型コロナウイルス感染症の影響で、投資意欲の減少や一部案件の延期が発生し、やや低調に推移しました。一時的な停滞はあるものの、製造業におけるデジタル化の動きは引き続き加速していることから、2021年度もスマートファクトリー市場に注力します。さらに、ソリューション、サービス、ファイナンス等、あらゆる分野をカバーする課題解決型ライフサイクルサービスをお客様のグループ全体に向けて提供するとともに、将来に向けたグランドデザインの提案へとつなげます。

    以上の方針のもと、従来の主たるお取引先であった大手企業の情報システム関連部門に限らず、すべての産業、すべての部門に裾野を広げて顧客基盤の拡充を図り、統合サービス事業を加速させていきます。
     
  • 通信事業者市場
    テレワークの増加に伴う回線増強などを背景に、ビジネスが好調に推移しました。サービス基盤の構築に加え、法人ビジネスやMSPへの支援も含め、引き続きお客様との協業による民間企業や公共機関に向けたデジタル化、セキュリティ強化の支援に注力していきます。設備系ビジネスについては、その特性上、収益性の面では慎重になる必要がありますが、お客様のニーズには応えなくてはなりません。将来的な共創関係が期待できる案件については、市場環境を見極めながら積極的に参入していく考えです。
     
  • パブリック市場
    国の施策であるGIGAスクール構想を受け、2020年度はスクールシステム市場が拡大しました。このビジネスチャンスに対し、当社は提案の質の高さやエンジニア・営業人員などの「現場力」によって、受注確度を高めました。加えて自治体との直接取引が増えたことも要因となり、売上・利益ともに伸長しています。一方、ヘルスケア市場は新型コロナウイルス感染症の影響から、病院におけるICT投資が停滞しました。この領域については次期中計に組み込み、再チャレンジを図ります。

    自治体の情報セキュリティクラウドやセキュリティ強靭化など、パブリック市場は更新需要も多く、今後ますます活性化することが期待されます。当社では、人員の再配置や連結子会社のネットワンパートナーズとの連携、さらには公共機関や地域顧客に強みを持つパートナーとの協業関係を強化しながら、付加価値提案による収益拡大を目指します。
     
  • パートナー事業
    パートナー各社が新型コロナウイルス感染症の影響を受けたこと、また不正事案による取引関係の一部見直しがあったことなどから、売上高は低調となりました。しかし関係は徐々に回復しており、2021年度は感染症の影響も一定程度緩和すると想定しています。今後はパートナー企業との協業モデルを再構築しながら、高付加価値を提供する「ハイバリュー・ディストリビューター」としての地位を確固たるものにします。さらに、製造業におけるオペレーションテクノロジー(設備の制御・運用)分野など、新たな領域にもビジネスを展開させていきます。

新モデルの推進

MSPモデルにより、中堅・中小企業への
テレワーク関連ソリューションを提供します

中計では、MSPへの支援と、リファービッシュメントの展開を新モデルに掲げています。

2020年度のMSPへの支援では、テレワーク関連市場の獲得に向けた新サービスの共創により、受注高が大きく増加しました。場所を選ばないテレワークはこれまで以上に強く推奨されていますが、実際に日本で導入できているのは大企業を中心とする1割程度だと言われています。テレワークは今後、中堅・中小企業に拡大していくことが予測されます。より多くのお客様にアプローチできるMSPモデルはこの市場を捕捉できるものであり、確実な伸びが期待できます。テレワーク利用は地域差や企業差が大きく、MSPを介したソリューションが経営の一助になればと考えています。また、5G(第5世代移動通信システム)の利活用への機運も当社にとっての追い風となります。効率性の高いMSPモデルを活用した提案によって、利益率を向上させていきます。

リファービッシュメントは投資・運用コストの最適化として需要が継続しているものの、新型コロナウイルス感染症の影響により新規提案に遅れが生じたことで、受注高は計画に対して未達となりました。しかし当モデルは収益性が高いことから、利益は計画を達成しています。

先に述べたMSPには、今後の成長へのボトルネックとして半導体の入荷遅延問題が伏在していますが、リファービッシュメントはこの課題解決への可能性を秘めています。半導体を入手できないが故に停滞しているサービスでも、リファービッシュ製品での代替により提供が可能になるものがあります。あらゆる手段を使ってお客様のニーズに応える、機能追求型のビジネスを可能にするのがリファービッシュメントの一つの側面です。今後は、このスキームの構築も視野に入れていきます。

今後の展望

新体制となったネットワングループとして
市場動向を捉えた戦略を立案します

中計最終年となる2021年度は、計画に掲げた目標を達成することを第一とします。また、好調に推移している市場については、当社が提供する価値をより一層評価してくださるお客様との共創関係を強化していきます。

次期中計では、2020年に大きく変化した市場が定着するという前提のもとで新たな機会を見出し、新体制となった当社ならではの戦略を立案します。その過程においては計画策定プロセスの刷新も検討しており、経営層によるトップダウンと社員からのボトムアップのコンビネーションで、新たなネットワングループとしての戦略を練り上げたいと考えています。これにより、事業計画の迅速な伝達・浸透を図るとともに、社員一人ひとりの当事者意識を醸成し、自律を促していきます。