ガバナンス・企業文化改革

外部からの提言に加えて当社独自の施策に取り組むことで
信頼の回復、再醸成を図ります

<外部調査委員会による提言への施策>
現在の当社にとって最大のリスクは、ステークホルダーの皆様から信頼していただけなくなることです。このリスクを回避し、さらに信頼の再醸成を図るべく、外部調査委員会より提言をいただいた再発防止策について、以下の施策を実行しています。

 

  • ガバナンス
    内部統制の形骸化を防ぐべく、内部統制の最上位規程「内部統制システムに関する基本方針」を一部改定した上で、関連する各規程の見直しを進めています。同時に社員へのメッセージ発信や、社員と経営陣との双方向コミュニケーションによって、全社的な内部統制への理解・浸透を進めています。

    取締役会は、従来のマネジメント型から管理・監督に特化するモニタリング型へと役割を変えていきます。この実現には、社外取締役との連携が重要な鍵になります。タイムリーな情報共有や取締役同士の意見交換、執行役員との対話など、質の高い連携に向けた方法論を社外取締役と共に議論しています。将来的には社外取締役比率を50%とし、各会議体の議長も社外取締役に務めていただくことで、牽制力のあるコーポレートガバナンス体制を構築する考えです。
     
  • 業務執行体制
    管理・監督と執行機能を分離して責任の明確化を図るべく、全本部に取締役を兼任しない執行役員を配しました。また当社として初めて、ディフェンスラインの目的に応じた組織編成を行っています(内部統制強化協議会の設置)。
    第1ラインを健全な営業体制、第2ラインを健全な牽制、支援、監督体制とし、それぞれの役割を確実に実行していきます。
     
  • 三様監査
    第3ラインも大きく改革しています。内部監査は、従来のプロセス監査から組織監査に変更するとともに、監査結果を全社員と共有します。同時に、外部有識者の助言をいただきながら、当社における内部監査室のあり方そのものの改革も進めています。営業や技術経験者、執行役員も含む組織構成とし、最終的には内部監査室やリスク管理室での業務を、キャリアパスの一環としていく計画です。

    監査役には新たに、常駐の社外監査役として公認会計士の方に就いていただきました。これまでの業務系監査に会計目線を加えることで、財務情報の信頼性を担保していきます。また会計監査人も変更しており、監査時だけでなく、日常的に経営層や現場とコミュニケーションをとりながら監査を行っていただける点を重視し、選定しました。
     
  • 企業文化改革
    2020年度より企業文化の改革を推し進めており、具体的には経営理念を企業理念に改め、また行動指針を新たなものにしました。加えて、全社員が行動指針に基づいた行動宣言をし、そのレビューも行っています。これらの施策を一過性の取り組みで終わらせないためには、ビジョンや行動指針に沿った行動を評価する人事制度が必要です。現在、外部視点も含めたアセスメントを実施しており、過去に遡って、人事制度の目的と結果についての客観的な検証を行っていただいています。これらの結果を踏まえた各種制度改革とビジョン浸透を柱に、双方向コミュニケーションも充実させながら、当社の新たな企業文化を醸成していきます。


<調査報告を踏まえた独自社内改革>
不正が発生する背景には、正当化、動機、機会という「トライアングル」が存在すると言われており、今回の事案にも当てはまります。このトライアングルから脱却すべく、外部調査委員会からの提言に加え、当社独自の観点から社内改革も実施していきます。

不正の正当化を排除するには、経営トップの行動、姿勢、直接的なメッセージを通して、「自らを律する」ことを伝え続けることが必要です。これにより社員の自律を促し、わずかなイレギュラーについてもNoと言える組織風土を醸成していきます。動機面では、投資家の皆様から業績を重視しすぎていたのではないかとのご指摘を多くいただきました。当社の人事制度や目標設定の基本は行動重視ですが、インセンティブ制度があることも事実です。これが一部の組織において、悪循環を生んでいたことが判明しました。一方ではリソースを見極めながら着実な成長を目指す部署もあり、全社的なベクトルの不統一を実感しています。不正の機会に関しては、イリーガルな処理に対し周囲の牽制機能が弱かったという側面があります。また法令遵守の意識は高いものの、業務規程と法令を結びつけて考える力の弱さも浮き彫りになりました。

改めて、2020年3月に開示した再発防止策は、原因と結果の関係の追究が足りなかったと感じています。なぜこうなったのか、なぜいけないのか、なぜやらなければならないのか、ということへの言及がなく、現場としては突然大きなルールが言い渡される状況でした。このような方法では、業務の進めにくさに起因するイレギュラーが生まれる可能性もあります。そこで2021年4月より、改めて社員との率直な対話の時間を設けています。遵守すべき絶対的なルールを変えることはありませんが、業務を円滑にするための細部調整を図るとともに、ルール遵守に必要な信頼関係の強化、企業風土の醸成に努めています。社員を縛りつけるのではなく、柔軟で真に実効性のあるルールを構築し、適時適切な運用を行っていきます。これらの改革については、その進捗状況を継続的に公表していきます。