社会やビジネスモデルの変化を捉え
最適な監査体制を構築していきます

 

 

 

 

 

 

 

常勤社外監査役
野口 和弘

 

 

事業特性に応じた適正な監査を実現

私は公認会計士として監査法人に34年間在籍し、業種の異なる多くの上場企業の会計監査を担当してきました。私の役割はその知見を生かし、新体制となった当社において適正な監査役監査を実行することだと認識しています。過去に監査を担当したゲーム関連会社では、有形物の販売ではなく、知的資産の積み上げによって価値を作る仕事も見てきましたので、情報通信産業の商習慣は伝統的な製造業と同じとは思っていません。当社もネットワークインフラという比較的新しい産業で事業を展開していることから、正確性や適法性を確実に担保した上で、既存の習慣にとらわれない、当社の事業特性に応じた監査の最適化を進めていきます。

監査体制の抜本的な見直しに向けて

不適切事案を踏まえた再発防止策には「監査体制の抜本的な見直し」が含まれており、内容は重厚かつ精緻なものになっています。その一翼を担う内部監査室についても、成長を続ける当社にふさわしい強化方針が掲げられており、正しい方向に進んでいると感じました。構築した体制や施策を適切に運用することで発信力がついていくと思います。

過去を振り返ると、不正が起きた後に統制や承認手続きの補強がなされても、同じような問題を繰り返す企業が存在しました。その理由を突き詰めると、「人」に行き着きます。組織は人で成り立っています。統制を一方的に強めるのではなく、必要な教育を行って疑念に対して自ら声を上げられる社員がいて、初めて統制の効果が表れます。今、社員の皆さんは非常に緊張していると思いますが、正しい手続きや判断を継続することで、基本動作が養われていくはずです。これからの再発防止策を進めていく中で当社は変わると思います。

私は常勤監査役として、営業部門の統制を自分の目で確かめ、現場の仕事に対する理解を深めて状況を細かくモニタリングするとともに、連結子会社の業務統制や財務報告体制の状況も精緻に確認していきます。また、三様監査にエアポケットのような空白を生み出すことがないよう、十分な監査が行われるように会計監査人と内部監査室とのコミュニケーションを強化するとともに、各種会議・委員会に参加して、適正な事業運営に必要な施策について強く発信していきます。 

一方、監査役は取締役の職務執行を監督する立場であり、適正な監査の実現には、監査役からの答申を意思決定に生かそうとする経営層の姿勢が不可欠です。現在の経営層には必要な改善を進める強い意志があり、当社の監査体制は確実に前進していると感じています。

監査役として事業成長に貢献

不適切事案を踏まえた対応だけでなく、ビジネスモデルの進化への対応も不可欠です。統合サービス事業では、ICT資産の長期的なライフサイクルの視点から提案を行うため、売上の認識時期と原価設定のあり方という会計処理面での難しさがあります。顧客の要求は多様で、日々変容していきます。このようなビジネスにおいては、過去の取引実績をもとに導き出す見積原価と、それに基づく受注判断、適切な処理を行うための社員の会計リテラシーの向上が不可欠です。さらに運用面でも、予算と実績の原価分析の実施や取引の承認に関するプロセスを常に見直し、モニタリングや業務処理統制の進化が必要になります。


2021年6月にコーポレートガバナンス・コードが改訂されましたが、その中では監査役への期待も高まっています。今後も、当社のビジネスや社会の変化を着実に捉え、常勤監査役としての職責を果たしてまいります。