新中計の推進にあたっての課題、リスクについて

河上:一番重要なのは人財です。一にも二にも、人間第一を意識した人財教育と、匠の技と心遣いを大切にする社員の育成と、国際化ではないでしょうか。進化し続けている技術に追いつきながら、サービス事業として、お客様の信頼を得る。社員一人ひとりがノウハウを持つことが大切だと思います。

今井:過去10年を振り返ると、前中計はうまくいったと評価しています。以前は、通信事業者の投資に依存する部分が大きかった一方、ICT基盤システム全体をお客様に提案するには力不足でした。ここ数年で機器販売からシステム提案への転換がある程度できてきました。そこをさらに育てるのには、まだ時間がかかりますが、社員の意識は変わってきたと思います。新中計をこの勢いで伸ばすのは大変ですが、社員のうち3割くらいの意識が変わってきていると感じており、それが7~8割となれば、最終年度の営業利益210億円が達成可能という気はしています。

西川:私が専門とする法律、リスクマネジメントの視点から申しあげますと、確かに会社の勢いは良いですが、周りがどうなるか、ということに対する認識が少し甘い気がします。世の中は会社と社員の成長に同期して動くわけではありませんから。政治の動向、景気の動向、そういうものをどこまで計算して目標を立てたか。状況次第では、お客様に買っていただけなくなることもあり得るわけで、そうなれば大きな修正が必要となります。
 

早野:私の視点から、リスクは3つあると考えます。1つ目は、日本のお客様。アメリカではSaaS(Software as a Service)などの「as a Service」といった、自分で所有しないサブスクリプション型のサービスを利用することが抵抗なく受け入れられていますが、日本企業、特にネットワンシステムズが主にお付き合いしている企業様は慎重で、アメリカで流行っているから取り入れる、とはならず、一定の時間を経て徐々に広がる傾向にあります。日本のお客様の志向の変化がネットワンシステムズのサービス比率の成長のフェーズとうまく合うのかどうかについては、引き続き注視する必要があります。
 
2つ目は、採用計画です。絶対的に人財は必要ですが、この業界で新規採用は特に難しいのが現実です。
 
3つ目は、アジアでの成長です。新中計では大きな成長を見込んだ計画になっていますが、もう少し本気で本社が関与して資源を投入することを実施しないと難しいと思います。
 

河上:アジアについては、お客様はASEANに進出した日系企業を対象にしていますが、これまで現地の人たちが主体性を持って対応してきました。今回、連結対象化した現地の会社との融合が課題になると思います。